マンガロウと漫画海賊版サイト

ネット民

マンガロウ(Manga Raw)のような漫画海外版サイトが次々と開設され、そして閉鎖されています。なぜこのような事態が生じるのか、そして漫画海外版サイトを利用するとどのようなリスクがあるのかを詳しく説明します。

マンガロウとは?

マンガロウ(Manga Raw)は漫画を違法にアップロードした海賊版サイトです。違法サイトとして有名になった漫画村と同じように無料で漫画を読めますが、こちらは海外版サイトです。

サイトを開き漫画を選ぶと表示され、一緒に広告も表示される形になっています。違法サイトなので閉鎖と再開を繰り返しています。

一見するとタダで漫画を読めるので利用者にとっては便利なサイトのように思えますが、さまざまなリスクがあることを理解しておくことが必要です。

マンガロウのような違法サイトの利用リスク

マンガロウのような海賊版サイトは漫画を無料で読めますが、その利用者にはどのようなリスクがあるのかを説明します。

法的なリスク

マンガロウのような漫画の違法海賊版サイトにもよりますが、サイト上でそのまま閲覧できるものに関しては違法ではありません。しかしその漫画を保存する行為は違法となります。

たとえば利用者のパソコンやスマホに違法アップロードした漫画をダウンロードすると刑事罰の対象となります。2年以下の懲役または200万円以下の罰金、あるいはその両方が科されます。

また直接ダウンロードしなくても、スクリーンショットで保存することも違法です。

閲覧することのリスク

違法にアップロードされた漫画を保存せずに閲覧するだけなら問題ないのかというと、そうではありません。そもそも違法な漫画海賊版サイトは収益が見込めるから無料で読めるようにしているからです。そしてその収益は閲覧する利用者から徴収できるような仕組みが組み込まれています。

たとえば広告ですが、広告詐欺や不正広告が漫画海賊版サイトの収益源になっています。これは利用者がわからないように表示される仕組みになっていることが多いものです。気づかずにクリックしてウィルス感染する可能性もあります。

あるいは気づかずに漫画のファイルをダウンロードしてしまい、そのファイルからウィルス感染するケースもあります。いずれも巧妙に隠されているので利用者にはわかりにくいのが特徴です。

ファイルのダウンロードによるリスク

違法にアップロードされた漫画のファイルをダウンロードするのは違法であり刑罰の対象となりますが、ほかにも次のようなリスクがあります。

個人情報の流出

個人情報やログインID、パスワードなどを抜き取りフィッシング詐欺に利用されることがあります。

マイニング被害

海賊版サイトのトップページにマイニングスクリプトが埋め込まれ、利用者の端末で暗号資産のマイニングをさせられることがあります。この場合にはPCへの負担がかなりかかることになります。

違法漫画サイトに関する国の対応

2018年2月9日に衆院予算委員会で著作権に関する違法性を取り上げ、2月13日には日本漫画家協会が「漫画村」をはじめ海賊版サイトについての見解を発表しています。

日本国政府は漫画を違法にアップロードしている海外版サイトへの接続を遮断する措置を検討し、2018年4月に「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策(案)」を発表しました。

違法漫画サイトによる出版社の被害額が約3,000億円ほどになるとし、インターネット接続業者に悪質性の高い3サイトをブロッキングするように要請しました。

2018年5月には福岡県警察が著作権法違反容疑で捜査を開始したことを複数のメディアが報じています。

その後は漫画家が米国で民事訴訟を提訴し、違法サイトにコンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスを提供していたクラウドフレア社とPayPal子会社がサーバー契約者の氏名や住所などの資料を提出しています。

漫画海賊版サイト一覧

マンガロウのような漫画海賊版サイトは数多くあります。

漫画村

2016年に運営を開始し人気漫画作品を無料で読める人気サイトでしたが、コンテンツの違法配信を問題視され2018年4月に閉鎖しました。この漫画村を契機に違法漫画サイトが広く周知されることとなりました。

2019年7月7日に漫画村の元運営者がマニラ国際空港で香港行きの飛行機に搭乗しようとしていたところを拘束され、9月24日に日本に強制送還されました。同日中に著作権法違反の疑いで逮捕されています。

マンガロウ(Manga Raw)

別名のサイトが2020年5月に閉鎖し「Manga Raw」として登場しましたが、内容は前回のサイトとほぼ同じです。もちろん違法サイトなのでコンテンツをダウンロードすれば利用者も摘発されます。

サイトを開くだけでもウィルス感染などの危険性があることを理解しておきましょう。

マンガバンク(Manga BANK)

マンガバンクは中国在住の男性が運営していた違法漫画サイトで、2024年1月現在は閉鎖されています。ただし別名で同じサービスが提供されているので利用しないよう注意しましょう。

2022年に中国の重慶市文化市場総合執法総隊がマンガバンクを運営していた重慶市在住の男性1人に対し、情報ネットワーク伝達権保護条例違反で犯罪収益没収及び罰金の行政処罰を下しました。日本人向けの漫画の海賊版サイト運営者に対して海外で処分が下されるのは初めてのケースです。

Combay(漫画bay)

Combayはマンガバンクの後継サイトです。名前やURLを変えながら運営を続けていましたが、2021年に閉鎖され2024年1月現在でも閲覧できません。

マンガジャパン(Mangajapan)

マンガジャパンも違法に漫画をアップロードしていた海賊版サイトです。2021年2月頃から運営を開始し、現在でも違法コンテンツを読める状態になっているので注意しましょう。

ただし検索しても結果には表示されないので、わざわざURLを入れない限りはアクセスする心配はありません。

マンガZIP(MANGA ZIP)

マンガZIPは2024年1月現在も運営している違法海賊版サイトです。漫画をダウンロードして読むスタイルなので、利用者も違法となり摘発される可能性が高いので注意しましょう。

海賊版サイトの運営者に対して発信者情報開示請求が行われることで、違法ダウンロードを行った者が契約しているプロバイダ・氏名・住所などが開示されるからです。

あるいは違法ダウンロードしたコンテンツをSNSで発信すれば検挙させる可能性があります。

漫画ワールド

漫画ワールドもコンテンツダウンロードタイプですが海外版サイトではなく口コミアプリです。2024年1月現在はインストールできません。

漫画の口コミをダウンロードできることを謳うサービスでしたが、実際には違法な海外版の漫画をダウンロードする仕組みでした。気づかずにダウンロードすることにもなりかねない注意すべきアプリだと言えます。

今後もこのような形で、一見すると違法サービスだとわからないものが運営されるかもしれないので注意しましょう。

漫画タウン

漫画タウンは漫画村の後継サイトとされたものですが、2018年に漫画村の運営者が逮捕されたことを契機に閉鎖しています。

漫画雑誌「月刊まんがタウン」と似ていることから、間違えてアクセスする人が多かったようです。このように正規サイトと間違えやすい漫画海外版サイトもあるので注意しましょう。アクセスしただけでウィルス感染する可能性があるからです。

漫画塔(漫画タワー)

漫画塔は漫画村が閉鎖されたあとに開設された漫画海外版サイトです。2018年10月4日に開設されるも、5日後の10月9日には閉鎖しています。

Twitterで運営開始を告知しYahoo!ニュースで取り上げられるとアクセスできない状況となり、9日には「サーバーが見つかりません」とのメッセージが表示されるようになりました。そしてTwitterにてサイトを閉鎖したことを報告しています。

漫画ハト(mangahato)

漫画ハトも違法な漫画海賊版サイトで閉鎖されています。しかし検索すると別名のサイトに飛ばされる仕組みになっているので注意が必要です。

Twitterでの口コミが多かったことから、利用者も相当数いたと考えられます。もちろんサイトにアクセスするだけでウィルス感染の危険性がありますし、コンテンツをダウンロードすれば違法行為となります。

このようにサイトを閉鎖したあとも、別のサイトに飛ばす仕組みの漫画海賊版サイトがあるので注意しましょう。

漫画メイト

漫画メイトは2022年に開設した新しい漫画海賊版サイトです。2024年1月現在もまだ運営していますが、違法サイトなのでアクセスしないようにしましょう。

ブラウザで読めるタイプなのでコンテンツダウンロードが不要ですが、ウィルス感染などのリスクはあります。検察するとトップに表示され、一見すると違法性がないようにも思えます。

サイトも日本語表記ですし、日本国内で運営されるものがどうかは不明です。しかし正規版配信サービスであることを示す「ABJマーク」がないので、違法サイトであることが確認できます。

サイト内の無料漫画を読もうとすると、安全性が確認できない広告ページへとばされます。

違法な漫画海賊版サイトの注意点

マンガロウをはじめとする違法な漫画海賊版サイトは違法にアップロードしている漫画を無料で読めるようにしています。違法であるため検挙されるリスクがありながらもなぜこのようにサイト開設が多いのかというと、それに見合う収益があるからです。

たとえば漫画を読もうとすると広告ページに飛ばされることがあります。無料で閲覧した人が広告を見ることで広告を提供する会社から海外版サイトを運営する人に流れる仕組みになっています。

つまり利用者が海外版サイトで漫画を閲覧することで、本来は作品を作った人に入るお金が広告を通してサイト運営者に入るということになります。利用者は間接的にこのような違法行為に加担すると言ってよいでしょう。

ダウンロードしなければ違法ではないからと、海外版サイトで漫画を読むことは日本の漫画業界に損失を与えることにつながると知っておかなければなりません。漫画業界に損失を与えることは、良質な作品が生まれることを阻害することにもつながる可能性があります。

違法な漫画海賊版サイトの利用者は逮捕されている?

違法な漫画海賊版サイトはウィルス感染などのほかに違法行為として逮捕される可能性があります。実際にマンガロウを利用した事で逮捕者は出ているのでしょうか。

利用者の逮捕事例はあまり見ない

漫画を違法にアップロードする海外版サイト運営者が逮捕される事例はありますが、その利用者が逮捕された事例はほとんどありません。

ただし逮捕者がいないからといって違法ではあるものの安心できるというわけでもないので留意しておきましょう。というのも、さまざまなケースで逮捕される可能性があるからです。

利用者が逮捕されるケース

まず最初に考えられるのが、違法な漫画海賊版サイトを利用していることをSNSなどで発信することです。そこでサイトに表示されている漫画を撮影した画像をアップするだけで違法行為となります。

これはスマホなどの端末にダウンロードしなくても、写真撮影し公開することが処罰の対象となるからです。

ほかにもサイト運営者が逮捕され、アクセスした利用者の情報が開示されると調べられる可能性があります。

違法ダウンロードの罰則は?

漫画の違法ダウンロードに対しては、次のような罰則があります。常習性などにもよりますが、このいずれかあるいは両方が適用されます。

  • 2年以下の懲役
  • 200万円以下の罰金

マンガロウのような漫画海賊版サイトの危険性を知っておこう

マンガロウのような無料で漫画が読める海外版サイトは常に開設され、そして閉鎖することを繰り返しています。サイトを開くだけでウィルス感染などの危険性がありますし、コンテンツをダウンロードすれば利用者も刑罰の対象となることがあります。

なかには違法サイトと気づかないものもあるので注意が必要です。マンガロウのように違法に漫画をアップロードしているサイトは開かないようにしましょう。